勃起の仕組みとは？

勃起は、一見単純な現象に思えますが、実際は複雑なメカニズムが働いています。神経や血管の正常な働きに加え、様々な物質の放出が必要です。陰茎は、左右一対の陰茎海綿体と下部にある尿道海綿体で構成されています。勃起に関わるのは、前者の陰茎海綿体です。

海綿体は無数の細い血管が集まったスポンジ状の構造で、外側は分厚い白膜で覆われています。非勃起時では、陰茎海綿体への血流は最小限に抑えられています。しかし、性的刺激を受けると、脳の中枢神経が興奮し、脊髄神経を通じて陰茎へと伝わります。その結果、体内で一酸化窒素が放出され、勃起の開始が促されます。一酸化窒素の放出により、陰茎深動脈とラセン動脈が緩みます。

さらに、海綿体の平滑筋も弛緩し、多量の血液を受け入れる準備が整います。そして、海綿体へ一気に血が流れ込み、血管に血液が充填され、海綿体が硬くなります。これが勃起という現象です。勃起が成立すると、海綿体を覆う白膜が膨れ、静脈が圧迫されます。

これにより陰茎の内圧が上昇し、一度流れ込んだ血液が簡単に抜けなくなり、勃起が持続されます。

ED治療薬であるバイアグラなどは副作用が少なく安全性が高いものですが、特定の制限がある場合には泌尿器科を受診してみてください。軽度のEDならば生活習慣の見直しで改善が期待できます。重要なポイントは、禁煙、ストレスケア、運動、食事です。

L-アルギニンとL-シトルリンは、血管拡張作用を持つ一酸化窒素（NO）の生成に必要な成分です。NOの体内産生は年齢とともに減少するため、これらの成分の摂取が大切です。

プロテインやサプリメントにも配合されていることがあります。

さらに、鍼灸治療と生活習慣の改善の併用がおすすめです。鍼灸は血流、神経障害、ストレス緩和に効果的で、栄養素の吸収率も向上します。骨盤周囲のツボへの鍼刺激が勃起機能を亢進させる効果が報告されており、今後さらなる研究が期待されます。